「スマホ de ひかり電話」とは

HGWがSIPサーバーとなり、IP端末でひかり電話の発着信ができる。公式の案内は下記。

スマホdeひかり電話|スマホがひかり電話機に|NTT西日本公式
スマホdeひかり電話 | ひかり電話(光IP電話) | フレッツ光公式 | NTT東日本

弊宅環境

アプリケーション

AGEPhone

設定

  1. プロファイルテンプレートから「ひかり電話(西日本)」を選択
  2. プロファイル名は適当に付ける
  3. 「SIP設定情報が通知されました」と出るので「OK」を選択
  4. 前の画面に戻って作ったプロファイルを選択し、「高度な設定」を選択
  5. 「アカウント」を選択
  6. 「ドメイン」にHGWのIPv6グローバルユニキャストアドレスを入力
    アドレスを[]で囲う必要がある(ドメインは使用不可)
  7. 前の画面に戻る
  8. 「ネットワーク」を選択
  9. 「プロトコル」から「IPv6のみ使用する」を選択する
  10. 前の画面に戻る(高度な設定画面)
  11. 前の画面に戻る(現在のプロファイルが表示される画面)

これでIPv6でAGEPhoneアプリがHGWに接続できる。

注意事項

AGEPhoneでは、IPv6アドレスに解決できるホスト名を指定しても接続に失敗する。

Android(5以降)はDNS64を検知してCLATを起動しIPv4アドレスを設定するため、通常はAndroid内のIPv4アクセスもNAT64を使用していい感じになるのだが、この環境のSIPはそうもいかないらしく、IPv4アクセスはタイムアウトで失敗する。

この環境でもIP-Phone SMARTは使用できる。この場合はCLATに頼るようで、CLAT発動しないVPN(Wireguard、IPv6シングルスタック)では接続ができなくなる。

補足

案内では「LivyTalk」も対応しているが、IPv4しか利用できなかった。
サーバーアドレスの欄にIPv6を打とうとしても長さが足りなくて打てない。
IPv6アドレスに解決できるホスト名を入れてみたが、ダメっぽい。

L3環境

・HGWのSIPサーバーへIPv6接続(アドレス直接指定)

間にルーターを挟んでいる。

L1環境

NTT収容局
(FTTH)
HGW(PR-400NE)
(Ethernetケーブル)
Router(NanoPi R2S, NAT64)
(Ethernetケーブル)
Wi-Fiアクセスポイント
(電波 W56)
Pixel6 (Android13)

どのような問題が起こるのか

一部の電話(相手が0AB-Jである場合も含む)に発信すると、
網からステータスコード「488」が返されて、発信失敗となる。

相手が非通知の着信を拒否していた場合、ステータスコードは「433」が返る。
網が着信側の契約状況を確認するシーケンスは少なくとも実行されていると推測。

同相手にアナログ端末から(スマホ de ひかり電話を使用しない方法で)発信すると、通話ができる。

原因(推測)

呼の着信側がIPv6に対応していない。

推測した原因の根拠

NTTの資料

端末は、着信時に受信した INVITE の SDP オファーに記載されたネットワークプロトコル、メディアタイプ、メディアのトランスポートプロトコル、メディアフォーマット(コーデック)、帯域に対応しない場合には適切な Warning コードを含む 488 Not Acceptable Here を返却してください。

音声利用 IP 通信網サービス
(第2種サービス タイプ 1 メニュー2)のインタフェース
-ひかり電話オフィスタイプ-

つまり、488が返る条件は発信側で提示した下記の項目のいずれかが着信側で使用できなかったということになる。

  • ネットワークプロトコル
  • メディアタイプ
  • メディアのトランスポートプロトコル
  • メディアフォーマット(コーデック)
  • 帯域

このうち、「ネットワークプロトコル」をIPv4に変更(AGEPhoneの設定でIPv4接続するように設定)し、
HGWの直下にPixel6を接続したところ、電話の呼び出しができた。

HGWの仕様

NTT東の別機種になるが、HGWによってはこんな注意書きがある。

IPv4のみを使用するIP端末と、IPv6のみを使用するIP端末との間では内線通話はできません。
アナログ端末(電話機)とIPv4を使用できる端末との間では、内線通話が可能です。
アナログ端末(電話機)とIPv6のみを使用する端末との間では、内線通話はできません。

電話設定-内線設定|「Web設定」の使いかた|RX-600MI / PR-600MI 機能詳細ガイド|NTT東日本

つまり、内線通話をするとき、両IP端末のIPバージョンが一致している必要がある。
アナログ端末はIPv4側に属しているようで、IPv6のみのIP端末から内線通話ができない。

IPv6のみのIP端末からアナログ端末に内線をかけると、「488」が返った。
IPv4を使用できるようにすると、内線通話ができる。

NTTサポートの対応

原因がわからなかった段階では、NTTのサポートに問い合わせを行った。回答は電話口で貰えた。
引用の形式をとっているが、数十分の会話をまとめたら以下のような感じ。

網の障害ではなさそうです。あとは機器の交換対応しか対応できません。
光LINKホットライン または AGEPhoneメーカーをご案内します。

故障・設定窓口

「スマホ de ひかり電話」は、「ホームゲートウェイ 無線LANカード」とセットでご利用いただくことを想定しており、他社無線LAN機器では接続利用を動作確認しておりません。オプションがない場合でも利用できることはありますが、保証はできません。その為、案内できる内容がありません。

光LINKホットライン

確かに公式サイトに米印で書いてあった。(気づかなかった………)

AGEPhoneメーカーには問い合わせは実施していない。
網から488が返されているということしかわからない以上、網の問題と言われそうな気がした。
ここに問い合わせるより、NTTの資料を探したほうが良いと判断した。
そこで先の資料を見つけて、原因が推測できた。

問い合わせを行った範囲では、期待したサポートは得られなかったものの、企業としてできる範囲として「それはそう」と思える納得のいく対応頂いたので、「仕方ないよね」という感想。

今後

NTTと総務省からアナウンスされている通り、今後は2024年1月~2025年1月にかけてメタル電話(PSTN)が終了し、IP網化するらしい。

総務省|電気通信政策の推進|固定電話網の円滑な移行
固定電話(加入電話・INSネット)IP網移行の概要|NTT西日本

このIP網化、メタル収容装置とIP網の間の「変換装置」がIPv6対応だとすると、この問題が発生するケースがグッと減るのではないか、と予測している。NTTのIP網というのはNGNを示すと思うので、IPv6対応は必須だと思う……。

補足(緊急機関への接続)

ひかり電話なので緊急の通報も可能。その要件が書いてあった。ユーザーが設定変更できる範囲について抜粋。

音声(G.711μ-law)以外のコーデックをサポートしている端末であっても、音声(G.711μ-law)のみで発信してください。

音声利用 IP 通信網サービス(第2種サービス タイプ 1 メニュー1)のインタフェース
第 6.4 版
2017 年 4 月
西日本電信電話株式会社

IPv6 での通話や音声(G.711μ-law)以外のコーデックをサポートしている端末であっても、音声(G.711μ-law)のみかつ IPv4 で発信してください。

音声利用 IP 通信網サービス(第 3 種サービス)のインタフェース
第 5.0 版
2016 年 6 月 6 日
東日本電信電話株式会社

NTT西日本は緊急機関への通話にIPバージョンの指定をしていないが、IPv6端末から利用できるのだろうか……?

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